A高校では、僕が高校生のときと同じように、毎月身体測定があった。
そのうち年度当初の4月の身体測定だけは、学年一斉に行っていた。
年度当初(4月)の身体測定の日。
身体測定の時間になると、僕はクラスの生徒に次のように指示をした。
「女子は体操服を持って、整列して更衣室へ移動しなさい」
女子は、体操服と記録用紙を持って、更衣室へ移動していった。
教室に残されたのは男子のみ。僕は男子生徒に次のように指示をする。
「男子はパンツ1枚になって、廊下に整列しなさい」
A高校では身体測定時、男子は教室でパンツ1枚にさせる。
男子は寒い冬でも、パンツ以外の着用は一切認めていない。
(本当に寒い冬は体操シャツの着用は認めていた。だけど下は当然パンツ)
男子はみんな驚いた顔、困った顔をしていた。それもそのはずだろう。
当時小学高学年にもなれば、教室でパンツ1枚にさせられることはない。
男子はお互いに顔を見合わせ、お互いに話をしている。
服をなかなか脱がなかった。
廊下を見ると、すでに1組・3組の男子生徒が廊下で整列していた。
1組・3組の男子生徒は、もちろんパンツ1枚である。
僕は、男子に次のように再度指示をした。
「早く服を脱いで,廊下に整列しろ!」
男子はしぶしぶというカンジで制服を脱ぎはじめた。
そしてパンツ1枚になって廊下に整列した。
僕の2組の男子生徒もパンツ1枚姿で,廊下に整列した。
1年生男子3クラスの男子生徒が全員、パンツ一枚で廊下に整列。
教室からパンツ一丁だから、全校生徒にパンツ一丁姿が丸見えなのである。
そして、身体測定を行う体育館へ移動した。
1年生男子全員が、パンツ1枚姿で体育館に整列。
パンツ一枚で整列している前で,僕は男子生徒に次のように話をした。
(僕は1年生の生徒指導担当をしていた)
身体測定時には,下着検査も実施するので,校則にはきちんと従うこと。
校則違反をしたら、特進クラスの者の場合は,次月,普通クラスに「降格」。
普通クラスの者が校則違反したら、連帯責任でクラス全員に「罰」がある。
身体測定はパンツ一枚で毎月不定期に行うが、
特進クラスは保健室で服を脱ぐことができるなど、他にも優遇があること。
(要には、特進クラスは教室でパンツ一枚にならなくていい)
4月末に試験を行い特進クラスと普通クラスのクラス分けを行うが、
各自特進クラスに入ることができるように努力すること、
を生徒に説示した。
そして男子への説示が終わった後、女子が体育館へ集合してくる。
女子は、更衣室で体操服とブルマに着替えて、体育館に集まるのである。
女子は体操服とブルマだが、男子はパンツ一丁。白ブリーフ姿である。
そして身体測定開始である。
男子は検査の全部を体育館で実施する。
しかし女子生徒は少し違う。
服を脱がなければならない体重や胸囲の測定は、男子とは別の場所で実施。
よって女子の下着姿は男子には一切見られない。
しかし男子は測定中ずっとパンツ一丁。
パンツ1枚姿は女子生徒に丸見えなのである。
男子は終始恥ずかしそうだった。
なぜこのように男子に辱めを受けさせるのか。
これは男子の規律と学力を向上させるためである。
上位20名の特進クラスに入ることができれば、
教室でパンツ一枚にさせられることはない。
また校則違反をした生徒や、教師の指示に従わない生徒は、
学力があっても特進クラスに入ることはできない。
よって男子は特進クラスに入るために校則を守り、勉強にも励む。
特進クラスと普通クラスとを差別すること。
これは学力と規律の向上、そして学校の治安維持に寄与しているのである。