特訓

野球部・部室
伸一は、昨日の試合でミスをしてしまった。
それ以来、すっかり自信をなくしていた。
「大丈夫?」
部室で落ち込む伸一を見かねて、部のマネージャーである沙代子が、声をかけてきた。
「私に何か出来る事があったら言ってね」
沙代子はそう言って部室を出ようとした時、突然立ち止まって、伸一の方を振り返った。
「あのさ。ちょっといいかな?」
「なんだよ」
伸一は、うっとしそうに聞き返した。
「私の友達が付き合ってる彼氏から聞いた話なんだけどね」
沙代子はそう言うと、伸一の座っているベンチの隣に腰掛けて、話し始めた。
「その彼はもう今は社会人なんだけど、学生時代は野球やってたんだって。二年の時にはキャプテン努めるほど、野球が上手かったし人望も厚かったの、でもね」
沙代子は隅に置いてあったバットで軽く振る真似をしながら、話を続けた。
「でも、順風満帆に見える彼も一年生のときは、全然上手くなくて先輩からこっぴどくやられてたの」
「そんな時ね、ずっとその学校の野球部の監督をし続けてきた顧問の先生も、その年の新入部員のレベルに危機感を感じていたの。で、その先生がとにかく打てないことには始まらないってことで、画期的な練習法を考え出したの」
沙代子は、そこまで言うとバットを置いて押し黙ってしまった。
「で、どんな練習法なんだよ」
「う...ん、伸一がね、真剣に野球に取り組む意思があるなら教え
てもいいんだけど」
「意思はあるから、教えろよ」
「途中で投げ出したりしない?」
「しないしない、だから早く」
「分かった、教えてあげる。それじゃ夕方6時に体育館に来てくれる?」
「何だよ、今教えてくれるんじゃないのかよ」
「町田先輩の方が詳しいから」
数人いるマネージャーの先輩格である町田は、小さい頃から女でありながら男子に混じってリトルリーグで活躍していた。それを知ったウチの顧問が去年、直々にマネージャーに就任要請をしたのだ。その結果、部長並みの特別待遇で迎え入れられた。だから町田が女子であるとはいえ、この弱小野球部においては逆らえな
い存在である事は皆分かっていた。
「町田かぁ、女の割に性格キツイんだよな。あの人」
「そんなこと言わないの。上手くなりたいんでしょ」
「分かったよ、6時に体育館だな」「必ず来てね」
沙代子はそう言い残すと、部室を後にした。
体育館・外
伸一は、約束どおり6時にやって来た。もう下校の時間だというのに、ここだけは照明が赤々と点いている。
伸一は扉の隙間からこっそり中を覗きこんでみると、中からいきなり町田の怒号が鳴り響いてきた。
「おらおら、もっと早く走れって」
視線の先には、伸一と同じ野球部の男子新入部員8人がトランクス一丁で体育館の中を走らされていた。新旧含めた女子マネ数人も町田と一緒に、走っている男子に対し何やら野次を飛ばしている。
"沙代子が言ってた練習法ってこれかよ・・・。こんなことだろうと思ったよ"
伸一は、ガッカリして扉を閉めようとしていると、運悪く中にいた町田と目が合ってしまった。
「ヤベッ」
町田は伸一の姿に気付くなり鋭い視線を向けてきた。
「何、そんなトコでつっ立ってんだぁ。こっち来い、オラァ」
伸一は、仕方なく町田のいる女子マネたちのもとに駆け足で向かった。
「沙代子から聞いたよ。この前の試合の事で落ち込んでんだって?」
「肝っ玉のちっちぇ奴だな。まぁいいや、皆と同じようにパン一で走って来い」
伸一は、着ていた上着とズボンを端に置いて、裸にトランクス一枚になると、走っている8人に合流した。しばらく何周か走っていると、町田先輩が何か叫んできた。
「これから一番遅い奴はパンツも脱ぎな」
"えっ、パンツを?"
伸一は一瞬、自分の耳を疑った。男だけならともかく、こんな、女子がいる所で全裸になって走れというのか─
町田の言葉に、伸一ら男子部員に動揺が走る。
「はい、今△△が最後方な。」
皆、最後にはなるまいと、俄然ペースが上がっていく。結局終始挽回できなかった△△が、とうとう先輩と女子の前に呼び出された。それを見たほかの男子は走りながらホッと胸を撫で下ろした。「パンツダッウーン!!」の掛け声とともに、△△のトランクスは後ろにいた女子の手によって下ろされてしまった。
走っている男子からは、無防備な△△の後ろ姿しか確認できないが、前に立っている女子からは可哀想にすべてが丸見えになっていることだろう。
ほかの女子マネたちは顔に手を押し当てているが、視線だけは△△のアソコに注がれている。さらに町田は残酷にも、その格好でランニングを続けるよう言い放った。
「ほら、ダッシュダッシュ」
△△は、手で股間を隠して走りにくそうにしていると、女子マネから「隠すな、男だろ」と叱咤が飛んだ。
顔を赤くして走る△△の意に反して、走るたびにチンポが元気よく飛び跳ねている。それをまわりの女子マネたちは、いやぁーという感じで見つめている。
「さぁ、次は誰の番だ」
町田のその言葉に、走っていた伸一たち男子部員たちに再び緊張が走った。すでに全裸で走っている△△は、対象から外れてそれ以外の誰かという事になっていた。伸一は全裸疾走だけは勘弁とばかりに、常に先頭集団をキープしていた。その間にも三人四人と脱落者が増え、生存競争は激しさを増すばかりだった。結局、最後まで先輩から終わりが告げられることはなかった。今から思えば競争など無意味だったのだ。伸一も女子マネの見つめる中を必死に耐えながら、全裸ランニングの一員に加わっていった。皆あそこをブラブラさせながら走っている。女子マネが叱咤する中を。延々と続いた悪夢のランニングは、町田の笛の合図でようやく終わりを迎え、女子マネ達の待つ場所に駆け足で向かった。
やっと終わりだ。。。
実は男子部員がそう思ったのは、全くの間違いで、ランニングなど単なる序章に過ぎなかったのだ。
町田は時々笑みを浮かべながら、横にずらーっと並んだ男子部員の顔とアソコを見比べながら、行ったり来たりしている。
「よし、それじゃお前らバットを持て」
町田は足元に置かれたバットを指差して言った。男子部員、目の前に置かれたバットを手にする。
全裸にバット。。。目の前の女子の視線は伸一ら部員のアソコに集中している。
次に発せられた言葉は驚くべきものだった。
「チンポがこの太ももに当たってパチンと音がするように振れ」
町田は、自分の太ももを指差しながら言うのだった。
伸一を含め男子部員は、初め町田の言っている意味が分からなかった。しかし、町田の説明によればこれを繰り返しすことで腰が振れて、バットの出がよくなるということだった。
しかも部員一人一人に女子マネがつき、チンポが振れているかチェックするのだから、伸一ら男子部員にとってフルチン練習法と呼ばれるその方法は、まさに羞恥の極みだった。
伸一にはよりにもよって、仲のよい沙代子がついた。男子の全裸姿を目の前にして、沙代子は伸一を気遣ってか初めは目をそらし気味にしていた。伸一は間近で見られていることもあって、勃起した状態を保っていたことが奏功し、何とか音にはなっているようだった。
ぺチン......ぺチン....
「伸一君、すっごーい。」
時間を得るごとに次第に慣れてきた沙代子も感心した様子で、その横に振れるチンポの様子を見ているのだったが、音が出ること自体恥ずかしい伸一としては茶化されている感じがしなく
もなかった。
伸一の隣の子はといえば、大きさ的には普通の状態でなかなか音は出ないようで、つきっきりのその女子マネも愛想尽きた感じで見ていた。基本的にチンポの小さい者は、相当勃起してやっと音が鳴るか鳴らないかというぐらいなので、終わった後も、女子マネから可哀想なほど野次られていた。
このときどれだけ、時間は過ぎていたのか。あの日のことは、伸一ら男子部員にとっては記憶から消し去ってしまいたいほどの出来事だったが、学校の間で実しやかにその噂は広まっていった。
数ヶ月後
野球部員を続けていた伸一は、初めて対外試合に野手として出場していた。ベンチで見守る女子マネの沙代子は、表面上は伸一の野手としての進歩を喜ぶ一方で、裏の顔をものぞかせていた。
ユニフォーム姿の伸一がバッターボックスでバットを振るたび、あの日見た大きく揺れるチンポをダブらせては感慨にふけるのであった。