冤罪で

昨夜、由佳は下校途中に通り魔に遭遇した。
通り魔はコートの下には何も身に着けておらず由佳に自分の性器を見せつけるようにして立ち去ったという。
由佳はそのとき驚きと恐怖でただ立ち尽くす
ことしか出来なかった・・・。
《西北高校》
校内の端にある空き教室を一室貸し切って、その場には女捜査官と被害者である由佳、彼女の担任、学級委員の
中坊が同席した。
「じゃ、こちらに座って。本当に辛い出来事だったと思うけど、犯人検挙のために昨日あったことについて聞かせてくれるかしら」
「は、はい・・・」
由佳、昨日のショックがまだ尾を引いているのか、女捜査官に声を掛けられても終始俯いたままの状態で
用意されたパイプ椅子に力なく腰を下ろした。
「それでね、さっき聞いた事のまたおさらいになるんだけど気を悪くしないで答えてちょうだいね」
「はい」
「昨日遭った男というのは、確かにここの学校の名札を胸に付けていたんだよね」
「そうです。。」
「しかもその名札にはあなたのクラスである2年3組と記されていたと。」
「はい、なので多分クラスの男子の誰かだと・・・」
「なるほど。それじゃ昨日遭った犯人の顔ってやっぱり分からないかな?」
「犯人の顔までは・・・」
「よーく、思い出してみて」
「あ、あまりに怖かったので見ていません」
由佳は申し訳なさそうに女捜査官に頭を下げた。
「そう、別に気にしなくていいのよ。それじゃね、相手の特徴で何か思い当たることって何かない?」
「犯人の特徴ですか」
「そう、どんな服を着ていたとか、どんな髪型をしていたとか見た目のちょっとした特徴でいいんだけど」
「そのときとても怖かったので相手を見る余裕までなくて、特徴って言われても・・・」
「うん、分かるわ。だけどそんな大した事じゃなくていいの。本当にちょっとした持ち物だとか、腕に傷があったとか」
「そういえば・・・」
「何、何か思い出した?」
「犯人が、、、」
由佳はそう言いかけたところで一旦躊躇したが、女捜査官に強く促されて再び口を開いた。
「犯人が私に見せてきたアレの先っちょに3〜5mmほどのホクロが・・・」
「由佳さん、それは間違いないですか」
「えぇ、それは間違いないと」
女捜査官、即座に由佳の証言をメモに取る。
そして・・・、
「中坊さん、至急クラスの男子全員を集めてペニスの先端にホクロがある生徒がいないか確認して」
「は、はい!」
学級委員の中坊は少し戸惑いの表情を見せながら、教室を後にした。
2年3組の教室
学級委員長である中坊の呼びかけで、女子は廊下で待機し、男子だけが教室内に集められた。
「・・・というわけで、男子の皆さんは全員教室後方で一列に並んで、捜査官がこちらにお見えになるまで待機していてください」
「え〜、何だよそれ」「ったく、超ウゼェ」
男子の一部からブーイングが上がる。
「何でオレ達が犯人扱いされんだよ」
「そうだよ、オレなんか昨日は部活という立派なアリバイが・・・」
「残念でした、この場合アリバイは関係ないんだよーだ」
「だいたい、そういう下らないことをする奴が本当にこのクラスにいるのかよ」
「つーか、そういうアンタが一番怪しいけど。。」
「なんだとー!」
「いいかげんにしなさい。現にクラスに被害者がいるのよ、男子も女子も口を慎みなさい」
担任の一喝に、クラス全体が一瞬にして静まり返る。
「並びましたか。それでは、次に男子の皆さんはこのアイマスクで目隠しをしてください。」
中坊、男子全員に用意していた黒いアイマスクを配る。
「いったい何が始まるんだ」「さぁ?」
「被害者が目の前を通って確認しますので、男子はそのまま直立姿勢でいること」
アイマスクをかけた男子がずらっと横一列に並ぶ様子は実に異様な光景だ。
「・・・には、・・・してもらって、・・・ということで。」
「そうね、その辺のところ、彼女にはしっかり判断してもらわないと」
「では、・・・いきますよ」「ハーイ」
そんなやりとりの後、おもむろに教室の戸が開いた。
廊下に待機していた女子がぞろぞろと入ってきたのだ。
その中には被害者の由佳とさっきの女捜査官も含まれていた。
これは被害者の人権を考慮して、男子には事件に関わった当事者の名前を伏せる目的があったのだ。
だから当然、男子には被害者が誰であるかは分からない。
そして中坊は全員が入室したのを確認すると、男子の方に向き直ってこう言い放った。
「では、男子の皆さんその場でパンツを下ろしてください」
「えー、マジかよー!?」
「これって、人権侵害じゃねぇのかよ」
予期せぬ学級委員の発言に、男子は先ほどにもましてブーイングの声を上げる。
「はーい、グズグズしない。被害者の救済に人権もプライバシーもない!」
こうしてまたしても担任が仲裁に入り、担任公認とあらば男子も従わざるを得ない。何が何やら分からぬまま、
男子全員パンツを足元まで下ろした。
女子が着席しているそのすぐ後ろを、フルチン姿の男子がずらーっと一列に並んでいる。
コツコツ・・・
男子は下半身を露出させられたままの状態で、目の前を女捜査官と被害者の二人が歩く足音だけが教室内に鳴り響く。
振り返ってはいけないと言う捜査官の指示を無視して、時折女子の一人が後ろを振り返っては、男子の醜態を見て必死に笑いをこらえている。
中には手鏡で後ろを覗き込む者やケータイのカメラを使って撮影する生徒がいたが、担任も女捜査官も犯人探しに躍起になっていてそれを咎める様子はない。
その間、二人は端から端を男子の前と後ろを交互に行ったり来たりをもう10分ほど繰り返している。そして・・・、
「どうですか」
「うーん、これなんかちょっと近いんですけど」
由佳は男子に聞かれないように、捜査官に対して耳打ちするように言った。
「3〜5mm大のホクロは合致、、、か。」
「わぁっ、そこまで」
何の躊躇いもなく股間を触ってきた手に思わず声を上げる男子に、女捜査官は少しも動揺することなく由佳の指差した性器をわざわざお尻の方から股を伝って手に取り眺めている。
「ふぅーむ・・・」
「でも、アレの大きさがちょっと違うかな」
男子の一人を指名してはみたものの、由佳は犯人との違いが見分けられないのか、捜査官の横で立ちすくんだまま首をひねっている。
「捜査官、犯人は当時勃起していた可能性があります。」
そばに付き添っていた助手と見られる若い女性が、捜査官にそう助言した。
「確かに。その場合は勃起時の大きさが事件解決の鍵になりそうね」
クスクス...../
クラスの女子たちは、捜査官と助手の間でお尻とかちんちんといった言葉が普通に飛び交う様子がとても滑稽に思えておかしかった。
「被害者の感じとしてはアレがかなり小さかったと聞くから、完全な剥けチンや極太の持ち主はその時点で省かれるわね」
「そういうこと。中坊さん、彼らに次の指示をお願い」
この状況に次第に慣れてきた学級委員の中坊は、もう余裕の表情で手を腰に当てながら目を覆われている男子に向かってこう言った。
「はい、男子の諸君、いつもお家でやっているようにオチンチンをこの場で勃起させて下さい。」
「えー、なんだよそれー!?」
「超ハズいじゃん、オレたち。。」
これにはさすがに呆気に取られてすぐさま反論する気にもなれなかった。
「これはとても大きな判断材料になるの、犯人検挙のためにここからは女子も協力してください」
捜査協力とはいえ、クラスの女子の手が自分の性器に直接触れたり擦り付けられたりしてくるのだから、”される側”の男子はたまったものではない。
「アハハハハ、勃ってきたー」
「クネクネしててなんかの生き物みたい♪」
「こっちのはダメね。まったく反応ないもん」
「うわ、白いの出てきた、キモーイ」
数十分経過してもイかせられない男子は、捜査官の慣れた手の動きでグイグイ弄られ、強制的に勃起させられていった。
「はい、女子の皆さんご苦労様。手洗い場で手を入念に洗って席に戻ってください」
中坊の呼びかけで女子たちがぞろぞろと外の手洗い場へ向かう。
「元気がいいわねぇー、やっぱり男子はこうでなくっちゃね」
年頃の男の子らしく立派に伸びきった性器を前に女捜査官は満足そうに頷く。
「じゃ、これからあなたたちの(ペニスの)サイズ、一人ずつ測らせてもらうからね」
いつの間にか由佳と女捜査官とは別に、助手と呼ばれる若い女性が多数教室に入れ替わり立ち代わり入って来ては測定作業に加わっている。
「主任、これはどうですか」
「被害者の証言によるとxxcmはイかないってことだから、大きさ的にはビミョーに違うんじゃないかしらね」
「色もこんなに色白じゃなかったってよ」
「次、あたってみてくれる」「ハイ、分かりました」
こうして特定の部位のみ該当しない男子生徒については、一目で見分けがつくようにその部分に”該当なし”の文字が黒のマジックで書き加えられていった。
「あっ、これ近いかも」
「フムフム、いい線いってるわね。由佳さん、こちらへ来て確認してくれる?」
他の男子の確認作業に当たっていた由佳が捜査官の下にやって来た。
「これ、見てくれる」「はい」
ここまでくると由佳も慣れたもので該当する男子の前に立ちはだかると、どっかと腰を下ろしてその性器を間近で食い入るように見つめている。
もうそこには、当初あったような遠慮やためらいはないようだ。
男子生徒も皆に直視されていることを意識してか、勃起した性器が心なしかさらに大きくなっているように見える。そして次の瞬間、、、
「これよ、これだわ!!」
由佳が思わず声を張り上げた。
「由佳さん、本当ですか!?」
「これよ、サイズといい、この色黒といい、先端のホクロといい、絶対に間違いないわ」
「では、犯人はxx君ということで......」
「主任、ちょっと待ってください!」
「どうしたの、そんな大きな声出して」
「こっちにも極少、色黒、ホクロの生徒がいます」
「な、なんですって!」
「あと、調べたところ該当者が他にも数名はいるとのことです」
「こんなに該当者がいたなんて、私としたことが・・・」
捜査官、由佳の方を振り返る。
「由佳さん、どうですか」
「うーん、どうも見分けがつきにくい、、、かな」
しかし、彼女たちにうな垂れている暇などなかった。
「仕方ない。では、該当者のペニスについては今後も時間をかけて慎重に精査していくことにしましょう」
捜査官の言葉に、由佳、学級委員の中坊、担任の三人も犯人の早期検挙という目的に向かって決意を新たにするのだった。
翌日の昼休み次のような放送が校内を駆け巡った。
「今から呼ばれる男子生徒の皆さんは、保健室に集合して泌尿器検査を受けてください。xx君、○○君、△△君、□□君の四人です。もう一度繰り返します、今から呼ばれる男子生徒の・・・」
その途端、廊下を歩いていた女子数人の足が止まる。
「えっ、まさかxx君が!?」
「△△クンもそんな小さかったなんて。。」
「捜査協力とはいえ、いい恥晒しよねぇ」
「仕方ないわよ、その中に犯人がいるんだから」
「それもそうよね、アハハ」
クラスの女子のみならず、”クラスの事情”を人づてに知った他のクラスの女子の間でもそんな会話や笑い声が
しばらく絶えることはなかったと云う。