史上最大の作戦

2年B組の教室
奈緒美が将生の席に詰め寄って、二人で何やら言い争いをしているようです。
「こないだ私の着替え覗いていたでしょ、素直に白状しなさいよ」
「たまたまだよ。たまたまそこを通りかかっただけ」
詰め寄る奈緒美に、あくまで偶然の出来事で故意に覗いたわけではないと言い張る将生。
「そんな所たまたま通りかかるはずないでしょ」
将生と奈緒美の間で険悪なムードに包まれる中、少し離れた位置にいた理沙がふと何か思いついたのか、
奈緒美にそっと駆け寄ると何やら耳打ちをしています。
それを聞いた奈緒美はにやりと笑いながら、理沙の言うことに何度も大きく頷くのでした。
相変わらず将生と奈緒美がお互い睨みを利かす中、理沙はそれとなく将生の背後に近付いたかと思うと、
「せぇーの」
奈緒美の小さな合図のもと、理沙はおもむろに将生のズボンとパンツに手を掛けるとそれを足元に勢いよく下ろしてしまいました。
その反動でぷるんと飛び出るおちんちん。
意地とプライドがぶつかり合う中、何の宣戦布告もなしにクラスメートのいる前で突然そんなことをやられては、
将生もたまったものではありません。
「あははは、おちんちん、ちっちゃくてかーわいい」
「毛もまだ全然生えてないね」
周りの女子生徒から自然に飛ぶ黄色い野次。
「なっ、何だよ、いきなり」
「覗いた仕返しよ、決まってるじゃない」
思わぬ不意打ちに慌てふためく将生を前に、奈緒美はして
やったりの表情です。
「だから、故意に覗いたわけじゃねぇって言ってるだろ。こんなセコイ仕返しやってんじゃねぇよ」
将生は顔を真っ赤にさせながら慌ててパンツを上げています。
そしてすごい剣幕で理沙と奈緒美の方を睨みつけています。
「将生から言ったんじゃない、タマタマのせいだって」
「そうよ、タマがいけないんでしょ、このタマがw」
「しょーもない屁理屈ばっか言ってんじゃねぇ」
「アンタが言葉で言い逃れするのなら、私たちだって同じことをするまでよ」
「あー、覗いたさ。理沙の裸も奈緒美のミニパイもぜーんぶな。どうだ、思い知ったか」
奈緒美と理沙の強硬姿勢に、将生は完全に開き直りました。
そして、その将生の暴言とも取れる発言に理沙と奈緒美から笑顔が一瞬にして消えたのでした。
「ひどい、ひどすぎるわ」
「覗いといて開き直るなんてサイテーね」
「サイテーで結構だよ、お前らとはな」
「この恨みいつか晴らすからね。それまで憶えてなさいよ」
「そんなのいちいち憶えてられっかつーの」
「理沙、こんなの放っといて行きましょ」
このときから奈緒美の頭の中にはすでに緻密な計画が練られており、復讐に向けての準備は将生の知らないところで着々と進行しているのでした。
奈緒美は一週間後に行われる体育大会での競技種目の検討委員の一人でした。
「今年は第60回目となる節目の体育大会です。そこでその日見に来られる父兄の方々の注目を集めるような、目玉となる演目のアイデアを委員会の皆さんから頂戴したいと思います」
その結果、下のようなアイデアが出たのでした。
女子演目
・パン食い競争
・バトントワリング
・ワルツ
・女子騎馬戦
男子演目
・福(服)探しゲーム
・早着替え走
・ふんどし騎馬戦(ふんどし取れば勝ち)
・自分のパンツで二人三脚
・デカパン競争
・応援合戦で桶一つで裸踊り
・ジャージを脱ぎながら走るストリップ400mリレー(アンカーは全裸で)
女子の演目は、聞いたことのある名前が多いものの、男子に関しては過激なものが多く目に付くのでした。
それもこれも理沙を含めた検討委員の大半が女子によって占められていたことと無関係ではないはずです。
かくしてこれらの競技はすべて委員会内の議決によって、圧倒的な賛成多数で決定されたのでした。
各クラスでは、検討委員会で決まった演目がそれぞれの担任の先生によって知らされました。そして、各競技に
おける出場者がホームルームの時間に決められていきました。
しかし、女子の出場者は比較的スムーズに決まっていったものの、男子の出場者選出にはこんな紆余曲折がありました。

某クラス
「センセーイ、デカパン競争ってどんなのですか」
「バカ。デカパン競争は、でかいパンツに数人が入って走るやつだよ」
他の生徒がそう言うと、
「うーん、それもちょっと違うみたいね」
担任の先生はある生徒の疑問に応えるその生徒の言葉をも否定したのでした。
「与えられたフツーのパンツを素っ裸の男子3人が穿いて走るっていう、名前そのままの競技みたいよ」
先生は委員会より渡された資料を手に、事も無げにそう言いました。
「エー、何だよ。それ」
「この種目に出る男子は、他の服探しやストリップリレーよりはいいんじゃないの。パンツ穿いてるわけだしw」
「.........。」
他人事のようにさらりと言ってのける担任の先生に、クラスの男子も唖然呆然です。

2年B組の教室
「それでは、次に男子リレーの出場者を決めていきたいと思います」
それまでの競技は面白半分に決まっていったものが、問題のリレーに話が及ぶと、男子は皆一様に下を向きっぱなしで、次第に重い雰囲気がクラス全体に漂い始めました。
それでも委員会の一人である奈緒子の独断で、リレー出場者欄には未だ他の競技での出場が決まっていない男子の名がそこに刻まれていきました。
「あと、誰かリレーのアンカーに出たい人いませんかー」
奈緒美の言葉にシーンと静まり返る教室内。
(アンカーなんか自ら進んでなる奴いねぇだろ)
(オレもアンカーだけはカンベンしてくれって感じだよ)
男子生徒の間からは表立っては言わないものの、そんな声がにわかに聞こえていました。
クラス全体がそんな空気の中、理沙が口を開きました。
「クラス一足の速い将生がいいんじゃない」
「そうそう、将生はずば抜けて走るの早いよね」
「やっぱリレーに優勝するには将生しかいないよ」
理沙の意見に呼応するように、将生のリレー出場を推す女子たち。
実はストリップリレーの発案者はほかでもない奈緒美でした。
奈緒子はリレーが委員会で承認された時点で今日のホームルームで将生の名が出ることは当然予測していました。それだけに自分の思い通りの今の展開にしてやったりの表情を浮かべています。
「オレはすでにほかの徒競走に出てるんだぞ」
「でも今のところ団体競技は決まってないんでしょ」
「団体の方はまだ確かに決まってないけど......」
「将生君がいいと思う人、挙手をお願いします」
将生が何に出場するべきか迷っている隙に、奈緒美はアンカーの採決に入るのでした。
「ちょ、ちょっと待てよ」
将生は慌てて採決の中断を訴えたものの、時すでに遅し。
女子の大半と、自分でなければ誰でもと願う男子の多くが手を挙げていました。結局、将生本人が納得することのないままにクラスの総意というだけでリレーへの出場が強制的に決められたのでした。
「じゃあアンカーは将生君に決まりね」
覗きに対する復讐、競技への強制参加の不安、またそれを見る側の密かな期待。様々な生徒たちの思いをのせて、一週間後、ついに体育大会当日を迎えるのでした。

体育大会当日
8:00
2年A組の教室では、体操服に着替える男子数人の姿がありました。
「なぁ、オレふんどし騎馬戦に出るんだけど、本当にふんどし取られるまでやらされんのかな」
「そんなのまだいいじゃんか。こっちはデカパン競争出場だぞ。リハのとき前の奴のチンコ当たってヤな感じだったよ」
「お前らはまだいいよ。オレなんか白組の応援合戦だぞ。この日のために毎日放課後桶一つで裸踊りさせられたんだぞ」
「それって、このグラウンドで!?」
「あぁ、女子も見てる中な。まるで罰ゲームだよ」
「400メートルリレーってB組は誰出んの?」
「将生が選出されたらしい」
「へぇ、よく本人出る気になったな」
「いやいや。この前会ったら相当泣き入ってたぞ」
「どういうこと?」
「あのクラス、やたら執念深い性格の奈緒子がいるだろ」
「あぁ、一度睨まれたら地の果てまで追いかけてきそうな奴だろ」
「その奈緒美って子が将生とひょんなことで喧嘩して、反感を買ったらしいんだよ。で、具合の悪いことにその子がこの運動会の競技検討委員会のメンバーの一人で、地位と権力にものを言わせてメンバーを買収したらしい。で、こんな誰が見てもおかしな競技が堂々とまかり通ったって訳。」
「ふぅーん、将生もまさかこんな仕打ちに遭うとは思わなかっただろうね」
「将生だけじゃないさ、オレたちも将生ほどじゃないものの、こんなくだらない競技出さされるんだからさ」
「誰がくだらない競技ですって」
男子が扉の方を振り返ると、そこには隣のクラスである2年B組の奈緒美と理沙がいつの間にか立っていました。
「あっ、B組の奈緒子の理沙じゃねえか」
「噂をすれば。。。ってとこかしら」
「私たちが一生懸命検討した競技に茶々入れるなんて、失礼な人たちね。あなた達が参加する競技、もっと刺激的なものに今から変えてあげてもいいのよ」
「い、いや、オレたち競技自体には満足してるし。。」
「嘘ばっかし」
「本当のこと言いなさいよ」
「べ、別に面と向かって文句言ったわけじゃないからいいだろ」
「まぁ、いいわ。私たちの考えた競技にあなた達はせいぜいベストを尽くすことね」
「奈緒美、後日校内放送するビデオカメラのモニターチェックしなきゃ」
「そうそう、こんな所で道草食ってる場合じゃないわ。じゃあね、私たちは特等席から健闘を祈っているわよ」
奈緒美と理沙はそう言ってA組の教室を出て行くのでした。
「なんだ、あいつら。感じ悪いな」
「しかも今日の運動会の模様を校内放送するとか言ってたぞ」
「なんか将生だけじゃなくて、校内の男子みんな、検討委員の奴らに嵌められてる気がする」
「とっくに嵌められてんだよ、あいつらに」
そう言って現れたのはこれまたB組の将生でした。
「あっ、将生じゃんか」
「オレ、最後の福探しゲームにも出ることになってんだけどよ。とんずらこいて出ないことにしてんだよ」
「いいのかよ、それで」
「競技の間どっかに身を潜めてりゃ、いないならいないで勝手に競技は流れていくだろ」
「そんなことしたら、余計に検討委員の反感買うぞ」
「勝手にやらせときゃいいんだよ、あんな競技」
「リレーにもアンカーとして出るんだろ。あの、まっ裸で走るやつ」
「それもパス。競技が終わってからそれとなく席に着くよ」
「でも出場者がいないと一番まずい競技だぞ」
「問題ない問題ない」
A組の心配をよそに、将生はひとり大会ストを決め込んでいるのでした。
8:30[開会式]
かくして、体育大会は開会式をもってその始まりを告げました。
前半は、女子によるワルツやバトントワリングなど優雅な演目が観客席を沸かせました。
午後に入ると競技種目が多くなり、大会運営をも兼任する検討委員による関与が一層強まることとなるのでした。
13:00[ふんどし騎馬戦]
「ふんどし騎馬戦に選出された15人は、入場門近くに集まってください」
放送席の召集に、騎馬戦に出場するため集まった男子に向けて、係員の女子がメガホンを片手に何やら言っているようです。
「ふんどし騎馬戦のレギュレーションが一部変更になりました」
「えー、何だよ。それ」
「変更点は男女混合戦になったことです。それでは各クラスの女子の参加者の方こちらへどうぞ」
係員によって入場門前に現れたのは、出場する男子と同じ人数の体操服姿の女子たちでした。
「よろしく」
「正々堂々、戦いましょうね」
「ふざけんなよ。何が正々堂々だ」
「そうだそうだ、お前らだけ下にジャージ着用なんてセコイぞ」
素っ裸にふんどしの格好で臨む男子からは、突如決定されたレギュレーションをめぐって非難の声が上がりました。しかし、そんな入場門前の喧騒もどこ吹く風の放送席からは
次の競技を伝えるアナウンスが流れるのでした。
選手、入場ー/
肩をすぼめながら入場門から出てきたふんどし姿の男子とは、対照的に意気揚々と出てきた体操服姿の女子。
それらがグラウンドで左右に分かれました。
女子の方では......
「体力差の違う男女が平等に戦うんだからこれでいいわよね」
「そうそう、それに要は勝てばいいんじゃない。最近の男子はちょっとしたことでわめきすぎなのよ」
「とりあえず、あのだらしなく下に垂れている部分を狙いましょ」
「そうね、あの裾を掴んじゃえばこっちのものだもんね」
一方、男子の方では......
「オレたちはあいつらの帽子を取ればいいのか」
「隆二、どう攻める?」
騎馬戦、はじめー/
「オレたちは、あいつらが向かってくる裏をかいて......」
「わぁー、隆二のふんどしもーらいっ」
「あっ、もう始まったのか、クッソー」
シュルシュルシュルルル.....
不意を突かれた隆二のふんどしは、女子の手によってすべて解かれ、一糸纏わぬ状態にさせられてしまいました。
陽に焼けていない白いお尻が丸出しです。
ただ、恥ずかしいからといって手でお尻を隠せば、今度はちんちんが露わになってしまいます。
中には片手で前・後ろを隠すツワモノもいましたが、そんな男子には女子から「おちんちん横から見えてるわよ」などと言われ、結局、慌てて両手を前にしてしまうことになるのでした。
「よーし、一丁上がりッ」
「貴子、隆二を陣地まで連れてって」
「ホラ、男のくせに前隠して歩いてんじゃないわよ」
「この調子でクラスの男子全員すっぽんぽんにしちゃうわよ」
「イェッサー」
「秀介のもいただき♪」
「よ、由子、これだけはカンベン、な」
「ダメー、観客の見てる前でおちんちんもぜーんぶ晒しちゃえばいいのよ」
「あ、うわっ」
始めこそ腰に褌、頭にハチマキという勇敢な姿だった男子も、積極的な女子たちによってあれよあれよ間という間に、草履とハチマキ以外は何も身に付けていないという、とても恥ずかしい格好を観客の父兄方に晒すはめになってしまいました。
秀介のちんちん見ーちゃった/
結局、騎馬戦は片方のチームの圧倒的多数の勝利で決着しました。
それは言うまでもなく女子の方でしたが、ルールに乗っ取って、
捕虜の数の読み上げが始まりました。
「はーい、人数を一から読み上げますから、捕虜の人たちを一人ずつそこに立たせていって下さい」
「いっぽ〜ん」
「に〜ほん」
「プッ、一本二本だって。あれきっとおちんちんの数のことなんだろうね」
「みーんな、アソコ勃ってるから数えやすいんでしょ」
「さんぼ〜ん」
「よんほ〜ん」
「ホント男子って弱いわね、自分のふんどし緩み始めただけで動揺しちゃって戦いどころじゃなくなるんだから」
「横チンとかハミチンとか、それくらいのことで気にするなっつーの」
そして、彼女たちは最後にこう決まり文句を言うのでした。
「男のくせに」
結局、参加者両軍合わせて30人の内、男子の捕虜が13本、いや13名だったのに対し、女子の捕虜はわずか2名にすぎませんでした。しかもその女子は帽子を取られただけ。
方や惨めな姿を晒す男子とは雲泥の差がありました。
13:20[二人三脚]
「二人三脚に出場される方は、入場門近くに集まってください」
二人三脚に出場するため集まった男子の耳に、これまた係員の女子によって衝撃の事実が聞かされることとなるのでした。
「オレのパ、パートナーって、女子だったのか」
「みんな同じよ、レギュレーション変更になって、男女混合になったんだから当然でしょ」
「二人三脚もそういうことかよ」
かくして、各クラス対抗の二人三脚が始まろうとしています。
第一走者の男子と女子がスタートラインに一列に並びました。
ただ、その光景というのが女子がフツーの上下体操服なのに対し、男子の方はというと、裸にタスキ代わりに使われる白パンツ一枚の姿という、好対照というかむしろ間抜けな印象すら漂っていました。
「よーい」
ピーーーッ
けたたましく鳴り響いた笛を合図に、二人三脚は始まりました。
しかしどのペアもなかなか走り出そうとしません。理由は皆同じで、相方の男子がなかなかタスキ代わりの
パンツを下ろそうとしないからです。
「早くそのパンツを下ろして、パートナーと自分の足に巻き付けて走ってください。でないと、他のクラスに抜かれてしまいますよ」
放送席からは、出場者の男子に向けてそんな忠告が聞こえてきます。
「雅哉、早くパンツ下ろして」
「えぇー、絶対ヤだよ」
「えーい、もう私がやったげる」
「あっ、バカ。止めろよ」
「パンツ使わなきゃ、競技にならないでしょ」
「ちょっと、むやみにチンチンぶらつかせないでよ。ただでさえこっちに寄ってきてんだから」
「走ってりゃ、横に振れるの当たり前だろ」
「縦に振んなさいよ、こんなときに勃起までしちゃってバッカじゃないの!?」
「きゃあ、ちんちんからヘンな汁出てる出てる。走りながら夢想してんじゃないわよ」
「バカ、これは単なる汗だよ」
「どっちにしても、それをこっちに飛ばさないで」
「洋太、足遅いわよ」
「これが限界だっつーの」
「オトコでしょ。これって金玉だよね、それともただの飾りなわけ?」
ギュッ
相方の女子が片手で洋太のちんちんを握りました。
「バ、バカ。気安く触んなよ」
「男ならここにチカラ込めなさいって言ってんのよ」
「それをされると、逆に力抜けんだよ」
「ったく、やっぱりただの飾りだったのね」
13:45[デカパン競争]
「おい、歩調合わせろよ」
「何、お前が乱してんじゃねえかよ」
「オレに合わせろ」
「あっ、やめろ」
メンバーの一人が、自分の方向へ体を無理やりねじったときでした。
ビリッ
四方に引っ張られる力に耐えられなくなったパンツが鈍い音を立てて縦に引き裂かれていってしまい。。。
ストン
ゴムが抜け落ち、布が真っ二つに裂かれたパンツが男たちの足元に落ち、観客席の女子からは想像を絶するような悲鳴がグラウンドを襲うのでした。
14:50[400mリレー]
今まさにリレーが始まり、放送席からは女子の実況の声が飛んでいます。
「ついに最も盛り上がるリレーが始まりました」
「さぁ、走者が自ら服を脱ぎ、それを次のタスキ代わりに走っています」
「一人目は上着を、二人目はその上着を捨てズボンを、三人目はズボンを捨て、下着をバトン代わりにしていきます。一回でも間違えるとそのチームだけ第一走者からやり直しです。それだけは悲惨ですから、出場者の皆さんくれぐれも気をつけてくださいね♪」
「アハハ、C組の男の子、パンツが足に引っ掛かって転んでしまいました。オシリの奥まで丸見え!惨めですねー」
「さぁー、いよいよ各クラス、最後の一枚、パンツがアンカーに渡りました」
「走っています、走っています、素っ裸で。トップはA組。
 皆さん、彼の勇姿を見てあげてください」
「おっと、ここにやはりすっぽんぽんのD組、陸くんが追い上げてきました」
「この際おちんちんのことは忘れて、勝負事に徹して実況しましょう」
「とはいっても、A組の勇太クンのカワイイちんちんに
 目がいってしまうのは、私だけではないでしょうね♪」
キャハハハ/
「さぁ、どっちだどっちだ。A組かD組か・・・。大きさで勝るA組のおちんちんもずっと見ていたいところですが」
「D組です、D組が見事優勝です。テープカットは、手が早かったか、おちんちんが先だったかこれは後々のビデオ判定ではっきりするところですが、、」
アハハハ/
「ダントツ最下位の彼にも惜しみない拍手をお願いします。トップがいれば一人で孤独に裸で走らなければならない惨めな最下位もいます。走れ、メロス!」
頑張れ、メロスー/
「おっと?B組はアンカーがいないようですね」
「B組は棄権とみなします。残念ながら、失格です。最後の福探しゲームで頑張ってもらうことにしましょう」
その言葉の裏には、勝手に出場を辞退した将生に対して、心中穏やかではない奈緒美たちの次なる復讐劇がついに最大のクライマックスを迎えることを予感させるものでした。
検討委員が出場者こそ募ったものの、唯一当日までルールの詳細を秘密としていた競技「福探しゲーム」
これこそが一番恥ずかしい競技であることが分かったのは、出場者が開始間近の入場門前で係員の説明を受けたときでした。
15:10[福探しゲーム]
「皆さん、一旦服を全部係員に預けてください」
出場者の男子は着ていた服は全て係員の手に渡ってしまいました。
裕くん、頑張ってー/
観客席からは、黄色い声援が飛んでいます。
「あはは、そんな不安そうな顔をしなくても、いずれ戻ってきますから心配には及びませんよ」
「ただいつ服を着られるようになるかは、出場者本人の努力にかかっています。観客席の方はぜひ自分のクラスの子を応援してあげてください」
「いきますよ、よーい」
スタート/
「さぁ、早く探さないと時間切れになってしまいますよ」
「全裸の男子が数名、グランド、校庭と駆けずり回っています。その光景は少し異様な感じもしますけども、れっきとした競技には違いありません。さぁ、果たしてお目当ての服が制限時間内に見つかりますでしょうか」
みんな、頑張ってー/
「さぁ、次第にクラス対抗という枠を越えた応援が聞こえてまいりました。個人的には、E組のイケメン翔太クンに頑張ってもらいたいです」
「あぁ、放送による個人的な応援には慣れていないんでしょうか、翔太クン、顔もアソコも赤くなっています」
アハハハ/
数分後......
誰も見つけられないまま、タイムアップになりました。
「これでは優劣が付かないので、レギュレーションを変更し、バトルロワイヤル形式にします。」
「バトルロワイヤル??」
「まぁ、始まれば分かります」
検討委員会の女子は意味深な言葉を残したまま、始まりを告げる笛を吹いた。
すると、、、
どこから入ってきたのか、出場者と同じ数の犬がグラウンドの中へと迷い込んできました。
いや、迷い込んだのではなく、そこへと放たれたのです。
なんとその犬たちを見ると、出場している男の子たちの服をくわえています。
「はい、早く犬を追っかけて服を取り戻してください。
「な、なんだとー」
「でないと、喰いちぎってしまいますよ」
しかし、あっちこっちを元気よく駆け回る犬たちを捕らえて、服を取り戻すことは至難の業です。
それでも男の子たちはフルチンで映画のアクションシーン顔負けのバトルを犬と繰り広げたものだから、それを
見ていた女の子たちはみんな大爆笑。
中には犬にオチンチンを噛まれた子や、犬に馬乗りになられて降参してしまう子までいました。
「はーい、見つからなかった人はそのままの格好で閉会式に出てもらいましょう」
「ふざけるな、オレたちの服を返せ」
「返せません、見つかるまではw」
「閉会式の時点で、この競技は終わってるだろ」
「この競技は服が見つかった時点で、各自終了になるので時間に制限はありません。では参加者の皆さん、引き続き探してください」
19:30
結局「福探しゲーム」が終了したのは、日もどっぷり暮れた夜、校庭の犬小屋の中で最後の服が無惨にも食いちぎられた状態で発見されたときでした。