羞恥の健康診断

うちの高校では体育系の部活に入部してる男子だけが念入りな健康診断を受けさせられる。

念入りというのも、全裸で性器と肛門検査もされるのだ。

まぁ、何でそこまでしなきゃいけないのかとか、女子は何もされないのに不公平だとかは思ったけど、慣れてみれば別に大したことでもなかった。

もちろん気分のいいものではなかったけど、先輩たちも同じようにされてたし、全員当たり前のこととして考えていた。特に俺は水泳部で、裸になるのは少なからず慣れていた。




そんな俺が度肝を抜かれたのが高校対抗の県大会だった。

自慢じゃないけど、うちの部は県内でも名の知れた水泳部で、俺も一年のクロール部門でやすやすと準決勝まで勝ち進んでいた。

そして俺は準決勝でもトップに入り喜んでいたのだが、プールから上がったのもつかの間、「決勝進出の男子は尿検査をするから」と言われプールサイドの小さな部屋に押しやられた。部屋にはクリップボードを持ったガタイのいいおっさんが立ってた。


「おっ、ようやく来たか。名前と学年は?それと競技種目」


体を拭く間も与えられず、びしょ濡れのまま俺はおっさんの質問に答えた。

尿検査があるなんて聞いていなかったから、俺は半分ワケがわからずされるがままだった。


「よし、じゃあこれに最低50ccの尿を採取してもらうから。はい」


そういっておっさんはプラスチック製の小さな容器を俺に手渡した。

俺は「はぁ」と生返事で返し、おっさんが退室するのを待った。だが、おっさんは一方に動こうとしない。それどころか――

「どうしたんだ君?早く水着を脱いで、後がつっかえてるんだから」

俺は一瞬声が出なかった。

「なんだ?尿検査は初めてか?」

「…は、い」

「そうか、なら驚くのも仕方ないな。尿検査の時はずるをするやつがいるから、ちゃんと水着を足元まで下ろして、試験官が見えるように小便するんだ」

「えっ、見るんですか?」

「あたりまえだ!見ないとずるしてるかどうか分からないだろ」

頭の中がぐるぐるする気がした。

「ほら、男同士なんだから、恥ずかしがることなんてないだろ。パッパと済ましちゃえ」

俺は相変わらず状況についていけてなかったが、おっさんの有無を言わせない雰囲気に拒否権がないことを思い知らされた。

覚悟を決めて、俺はおっさんの前で競技用水着をずるりと足首まで下ろした。

高校生としては平均サイズ(と思う)のチンコがプラーンとぶら下がる。

体中濡れているのに、股間だけがやけにスースーする。おっさんは俺のチンコを凝視していて、俺は急に恥ずかしくなってきた。

「君――」

「はっ、はい」

「皮は剥けてる?」

俺はなぜかビクビクしていた。

「は、はい、剥けてますけど」

「じゃあちゃんと剥いた状態でおしっこして、結果に影響するから」

俺は仮性包茎で、皮を剥くことはできたが普段は皮をかぶせていた。

おっさんに言われるままに、俺は包皮をするりと剥いて、敏感な亀頭を晒した。

空気があたるだけでピンクの亀頭はヒリヒリした。

相変わらずおっさんは俺のチンコだけを見ていて、早くその場から立ち去りたい俺は萎えたチンコを容器に向けた。


俺とおっさんしかいない部屋は居心地の悪い沈黙に包まれた。

出せと言われるとなかなかでないのが小便である。

俺は神経を亀頭の先に集中させ、うっすらと感じる尿意を手繰り寄せようとしていた。

プールでは次の種目が始まったようで、観客の声援が曇って聞こえてくる。

扉のすぐむこうでは他の決勝進出者が並んでいるようで、談笑している男子の声が部屋の中まで響く。

俺は変な気分になりそうだった。こんな状況で小便をしようとしている自分が信じられなかった。


一瞬力を抜くと、積み上げた尿意がいっぺんに開放された。

最初はチョロチョロと、一旦始まると勢いよく、尿道からおしっこが放出された。おっさんは尿がチンコから出るのをじーっと見ていた。

皮を剥いたまま小便するのは慣れなかったが、俺はとにかく早く終わらせて水着を着たかった。

羞恥心に体が震えるのを必死で耐えた。

ようやく放尿が終わり、俺は最後の一滴を亀頭から振り下ろした。チンコがプルンと上下した。

「よーし、いっぱい出たな。初めはなかなか出ないモンなんだぞ」

そりゃあれだけ見られたらな、と思ったが、もちろん口にはしなかった。俺は包皮を戻し、水着を引っ張りあげた。

「じゃあ決勝がんばれよ!」


尿採取の終わったおっさんは初めよりやけに愛想の良いような気がした。俺は会釈をして部屋から出た。

外ではもう三人が並んで順番を待っていた。

先輩たちのところへ戻って尿採取の話をすると、俺はかなり驚かれた。

どうやら先輩たちもそんな尿採取をされたことは無いようだった。

ただ、去年にズルをして問題があったことから、尿検査の方法を変えるというのは聞いていたらしい。


だからと言ってなにもあんな屈辱的なやり方をしなくても…と俺は内心うなだれていた。

後に聞いた話だが、女子部員は血液検査だけで済んだらしい。

男子は裸を晒してもどうって事はないが、女子にはそんなことは絶対にさせられない、ということらしい。

とことん男は損だな、と思わずにはいられなかった。